気温 ページ10
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夜食を食べたいと叫び散らすAに耐えかねて、
外にでてみたけど、さっむいなあ、
『寒すぎませんか』
「さすがに寒いな、冬やん」
ううっと身震いしながら、ポケットに手をつっこむ。
『さすがに冬すぎ、』
ポケットから出ている手首を引っ張るから、
なんやねんって聞くと、
『寒いんやって！』
と、また叫ばれる。
「わかったわかった、叫ぶのやめて、」
理由もわからず、ポケットから手を出せば、
そのまま手を握られた。
『え、あんまりあったかくない』
暖をとるため握られた手は、残念ながら冷えていて、
がっかりしたようで、すぐ手を離された。
「おい、なんで離すねん」
『いやあ、カイロレベルを期待してたんで』
「握っとったらあったかくなるやろ」
離された手を、こちらから繋ぎ直せば、
『それだったらこっちのほうが、』
と、指を絡められる。
「大胆やなあ」
『きしょ！寒いだけですけど！』
「年上に言う言葉ちゃうやろ！」
『いやあ、さすがにおじさんすぎたんで』
ブンブン腕を振り回されてちぎれそうやけど、
可愛いから許すし、寒いのも許す。
コンビニについても、手は繋がれたままで、
『なに食べます？』
「いや、それよりさ、買い物しにくいねんけど」
『わたしが取ってあげますよ、
なんのために口ついてるんですか？』
「なんでそんなえらそうやねん、」
そう言いつつ、繋がれたままの手見て、Aは満足気に笑う。
しゃべらんかったら可愛いな。
．
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作者名：わたちちゃんです | 作成日時：2023年10月14日 5時
