愛を見つけて【NJ】 (ページ50)

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NJside

Aさんに引っ張って起こされても、まだ放心状態だ

『先にリビングに行きましょう!』

いや、夢見心地というのだろうか

『リビングにありますよね?』

引っ張られ……その…俺の手を……

『あ』

…離された

俺の顔と手を交互に見て､早歩きで行ってしまった

部屋に入ると気まずそうな顔のAさんがこちらを見ていた

視線を感じながら自分で消毒液を傷口に当てる

『あああ…そんな強く擦ると傷口広がっちゃいます……』

NJ｢いつもこうですよ?｣

『ええ!?あの、少しの間だけ解除でいいですか……』

NJ｢何がですか?｣

『お顔を触らせて頂くの……』

何で急にかしこまるんだ､さっきまで散々触ったくせにㅋㅋㅋ

NJ｢お願いします｣

NJ｢あ!痛い!痛い痛い｣

『嘘!?さっきのゴシゴシやってた時よりかは…』

NJ｢自分でやってたから………っいて…｣

『動かないでください』

また頭をホールドされて……

『何で笑ってるんですか』

NJ｢いえㅋㅋ…やっぱり臨機応変に変えていきませんか?｣

『何をですか?はい、終わりましたよ｡』

片付け始めている

NJ｢ルールです。時と場合に合わせてスキンシップも有りにしていかないと｡｣

『変えたらそれはルールにならないですよ』

NJ｢Aさんは…｣

『はい?』

NJ｢Aさんは…僕のこと……嫌いですか?｣

『急に、どうしたんですかㅋㅋㅋ』

ずっと気になっていた事を聞いてみる

お酒の匂いのする彼女は正直に答えてくれる気がした

『嫌いじゃないですよ?嫌いだったらこんな事しませんから』

頬をトントンっと触るAさん

NJ｢じゃあ、どう思ってるんですか?｣

『んー、ボロネーゼに乗せる半熟卵みたいな?』

NJ｢どういう…事ですか｣

『崩れないように…そうっと扱う感じです。常に』

NJ｢なるほど…｣

彼女の言わんとしている意味はなんとなく分かった

でも､彼女という人がよく分からない

俺の上に覆いかぶさる形で顔の近づいたあの瞬間

俺は息が止まってしまうんじゃないかと思った

驚いて声も出なくなった

でも彼女は違うようだ

突然手を触るし

かと思えば手を離して俺を置いていくし

酔っているから?

ただ心配だったから?

彼女の事が理解出来なくなったのは

きっと彼女じゃなく、俺の何かが…変わったからだ