太宰さんの妹さんは病弱なようで

26話『黒の世界の少女』 ページ27

『これで...分かったよ』

「私も知りたかった事が分かってよかった」

特に感動した...というわけでも無く2人とも知りたかった事が知れてスッキリした顔だった。




『さて。久しぶりにお兄ちゃんに私の特製料理を
作りましょう！』

「本当かい！？」

『うん。昔より腕を上げたからね』

何があるかな...と立ち上がり冷蔵庫を見るとその中は何も入ってなくとても綺麗だった。

『...』

あー...元気になった体がまた しんどくなりそうだ。


『お兄ちゃん 買い物に行こ？』

「いいけど...今日に熱出たばかりだろう？」

『大丈夫だよ。もう下がったし』



任務に行くより楽だから。


何よりお兄ちゃんの健康状態が心配だ。

「なら、行こうか」

『うん！ 』


お兄ちゃんと買い物に行くのは久しぶりだ。




外に出て人通りが昼間より少なくなった街を歩いていると急に聞き慣れた音が聞こえて来た。




『銃声？』

これからはマフィアの時間...

聞こえることは不思議ではないがその銃声の中から会話が聞こえる。

『お兄ちゃん...ちょっといい？』


久しぶりの買い物だが、こういう事を優先して行こうとする所 私はやはり真っ黒だ。

「いいよ」

お兄ちゃんの返事を受け取り私は銃声の聞こえる方に走った。

銃撃戦をしている人達の死角になる所に隠れその話を聞いた。

銃撃戦をしているのは影でよく見えなかったがマフィアだろう。

「.......を太宰様が.........なったら .........受けるでしょう」

ちょくちょく聞こえない所があったが私の名前を
言っているところはハッキリと受け取れた。

「しょうがなかったんだ！！」


この声は...私の直属の部下の一人だ



名は奈良瀬。 異能は持ってないけどとても優秀な部下だった。(・・・)









少ない会話の中で読み取れた。


これはマフィア内でよくある裏切りだ


...と考えると今は裏切り者を殺そうとする最中


黒服が言ったことは多分

"この事を太宰様がお聞きになったらショックを受けるでしょう"



黒服も私の事を分かっていない...


マフィア内ではよくある裏切り

私はこれでもマフィアに９年は居る。

部下の裏切りなんて慣れっ子だ。


『ふふっ...』

そう言いながら私は銃撃戦の中に出た。

黒服は3人 裏切り者1人。

銃撃戦...と言う程でもなかった。


その4人は影に同化している私が誰か分かっていない様だ。

「誰だ！？」

奈良瀬君がそう発する。

『あら。私にそんな口を使って宜しくて？』

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