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11話『4年間抱えてきた思い』 ページ11

『お兄ちゃん...』

「やはりA なのだね」



『来ないで』

私は服のポケットからナイフを取り出した。

それをお兄ちゃんに向ける。




「やはり 私を恨んでいるかい?」

『...』

恨んでいるわけない...


私は今でもお兄ちゃんが大好きだよ

それはずっと変わらない。



でも敵同士 私の考えが甘かった。




『これ以上 私に近寄って来たら花吹雪を発動させる。死にたくなかったらその外套をこちらに投げて 私の前から消えて』

お兄ちゃんの後から私の黒外套を持った敦くんと
眼鏡をかけた人が出てきたのでそう言った。

「おい太宰。これはどういう事だ」

「この子は私の『ポートマフィア幹部補佐よ』」

「はぁ!?」


「大丈夫だよ。私がいる限りは」


何処からその自信が来るの?


『いいから早く。 3.2.1.0




はい。時間切れ




異能力...《花吹雪》!!』



私は昨日、ナイフで刺したところをもう一度刺そうとしたが

その手は止められて動かなかった。


『離してッ!!』



「これ以上 自分を傷付けないでくれ。

その腕の怪我 昨日も使ったのだろう?」



優しい声が聞こえ私は手からナイフを落とした

いや、落としてしまった。


「すまなかったね。全て私が悪い...


Aも一緒に連れてくればよかった」


ふわっと香る懐かしい匂い

身動きが取れない。

『おにぃちゃん...おにぃちゃん』


私は小さい子が母親を求める様に泣いた


お兄ちゃん と言いながら。



「驚かしてしまったね


この子は私の妹だ」


「妹...?」

「似てますもんね!」


...恥ずかしいなぁ。マフィアの幹部補佐がこれって

『お騒がせしてしまってすみません。

私は書類を渡しに来ただけなので帰ります』

お兄ちゃんの中からは抜け出したが手を握られている。

「まぁそう言うな。茶でも飲んでいけ」

「そうそう!」

今度はお兄ちゃんに無理やり中に入れられた。


帰って 中也お兄ちゃんに怒られないかな...。


そんな事を思っているとソファに座らされ前にお茶が出された。



『けほっ』

無理しすぎたかな 熱が上がったような

お兄ちゃんにバレる前に帰ろう。

これ以上 嫌われたくない...迷惑掛けたくない



コツン


ん?

頬の横にはお兄ちゃんの手。

私の目の前にはお兄ちゃんの顔。


「やはり熱があるね

今日はうちにおいで。4年間も何もしてあげられなかったんだ。


たっぷり甘えてくれ給え。それに話もしよう」


『え?』





「「は?」」

12話「大切な妹」→←10話『視線が痛い街中』



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yukinoyado(プロフ) - 和菓子さん» おぉ!!ありがとうございます!!更新頑張りますっ! (2018年5月6日 18時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)
和菓子 - 1話1話、最後のまとめ方が凄い…! 更新待ってますね! (2018年5月3日 20時) (レス) id: de9df62b61 (このIDを非表示/違反報告)
yukinoyado(プロフ) - 夏咲 ゆきあさん» いえいえ。こちらこそありがとうございます! (2018年4月30日 17時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)
夏咲 ゆきあ(プロフ) - twitterではありがとうございました。応援してます。更新頑張ってください! (2018年4月29日 23時) (レス) id: 9c923fb67a (このIDを非表示/違反報告)
yukinoyado(プロフ) - 凛歌さん» ありがとうございます!頑張りますっ!! (2018年4月29日 23時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yukinoyado | 作成日時:2018年3月31日 13時

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