病弱な妹と2人の兄が選ぶ道

『騒がしい社員』 ページ43

『えっ？あっ...え？』

「本当は明日、探偵社に行ってやろうと思ったんだけど皆が聞かなくてね」

優しい笑顔を浮かべながらお兄ちゃんは私の元へ来た。

「入社おめでとう。そしておかえり」

『っ！...ただいま！！』

何年ぶりかなお兄ちゃんにおかえりって言われたのは。でも待って...私まだ入社してない。

「早くお祝いしよー！ご飯食べよー！！」

「乱歩さん！」

乱歩さんの明るい声と敦くんの少し焦った声が聞こえて自然と笑が零れた。

「いいんだよ敦くん。さてお祝いしようか！！」

「「おー！！」」

探偵社はこんなにも明るくて優しい所なんだ。

お兄ちゃん達がワイワイとリビングに行くのを見て居ると急に横から声が聞こえた。

「貴君が太宰 Aか」

『あっはい！』

この前に行った時は見なかった人だ...。

首領...じゃない森さんとは違う感じだけど何か...似た雰囲気を感じる。探偵社の社長さん...？

「武装探偵社 社長の福沢諭吉だ」

やっぱり。

『太宰 Aです』

元マフィアなのは...聞いてるよね？多分。

「探偵社への入社を認める」

『ん！？あっ福沢さん！待ってくださ...』

詳しい事を聞こうとしたら福沢さんは家を出た。

「姉様？」

『鏡花！...私ってまだ入社してないよね？』

「え？...探偵社に入らないの？」

『試験とかは？』

「聞いてないの？」

聞いてないってなんの事...？

今までの事を振り返ってみるが入社がどうこうの話は全く聞いてない。

「姉様は広場で人を助けたからあれで合格したんだよ？」

『あぁ...あの時の。筆記はないの？』

「筆記は乱歩さんに聞いた方が早い」

鏡花は既に宴会になっているリビングを見る。

『うわぁ...』

私もそっちを見てみると床に酒瓶やお皿は転がってすでに酔った人が何人か出ていた。

敦くんはお兄ちゃんに絡まれている。

あれは危ないの宴会だ。子供が入っては行けない...未成年で飲酒を進められるやつ。

お兄ちゃんは未成年で飲んでたけど。

敦くん救出した方がいいかな...でもあれはあれで楽しそうだし。ん？

『ねぇ鏡花。賢治くん...かな後、谷崎さんとナオミさんは？』

「今日は欠席。明日の朝に個人的にやるって...」

『そうなんだ...鏡花 私達はここで２人だけでしよっか。私達があの中に入ると危ないから』

「いいの？主役は姉様なのに」

『いいんだよ。こう言うのを開いてくれるだけで嬉しいから』



それに...私は皆の楽しそうな姿を見ているのが１番楽しい。

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