病弱な妹と2人の兄が選ぶ道

『少女の本音』 ページ21

「Aー！」

広いあじさい園を周りそろそろ終わりの頃に後から名前を呼ばれた。

『お兄ちゃん！織田作さん！』

子供のように笑いながら走ってくるお兄ちゃんとその後ろをゆっくりの歩く織田作さんが居た。

「さっきは怒って済まなかったね...」

『気にしないで。死んだ人がいるなんて言ったらみんなそうなるよ』

特に大切な人が生き返った...なんて言われたらね。

「お前達は本当に似てるな」

「そうかい？」

「あぁ。とても似ている」

「私達、似てるってA！」

嬉しそうに言ってくれるお兄ちゃんの表情はやっぱり頭を撫でたくなるほど幼くて可愛いと思ってしまった。

『ふふっ...良かったね』

私自身も自然と頬が緩む。
やっぱり...私はお兄ちゃんと一緒に過ごしたい。

探偵社の皆さんと一緒に仕事をしてみたい。

そんな事を思っている時、私の携帯がなった。

最近はよく掛かってくるなぁ...と呑気に思いながらディスプレイを見てみると首領の文字が。

『あぁ！！』

「どうしたの？」

『ちょっとごめん！...もしもし太宰です』

《あっAちゃんかい？何かあったのかな？帰りがやけに遅いけど》

『申し訳ありません。寄り道をしておりました』

任務帰りのことを忘れていた...何をしているんだ。

《正直に言っていい子だね。さぁ早く帰っておいで今日も訓練をするから》

『...っ！！はい...すぐに戻ります』

嫌だ。帰りたくない。

最近、首領の訓練は拷問に近いようになってきた。

毒物体制もだいぶ付いてきたので更に強い薬。

昔は弱くてよかった。

『...首領に早く帰っておいでって言われたからもう帰るね。じゃあね織田作さん お兄ちゃん』

あぁ...足が重い。帰りたくなんかない。

でも､帰らないと。

「A､嫌なら帰らなければいいじゃないか」

お兄ちゃんにとっては悪気がないその言葉は私には無責任に聞こえ初めてお兄ちゃんに腹を立てた。

『嫌だけど私は帰らないと行けないのっ！！マフィアを抜けたお兄ちゃんにはわかんないよ！私がどれだけ耐えてるか！！お兄ちゃんがマフィアを抜けなければ私は...私はあんな訓練をしなくて良かったっ！！！』

「あんな訓練...？」

『お兄ちゃんは今の私の何を知っているの？表面だけでしょ？長い間離れてた人には分からない。今のお兄ちゃんより中也お兄ちゃんの方が私のことを理解してくれている



私...本当はお兄ちゃんが探偵社に行ってくれて良かったなんて1ミリも思ってないよ』

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