No.20 ページ21
私はあてもなくひたすらに走った。
灰色な空から冷たい雨が降っても、強い向かい風が吹いても、そんなこと全く気にならないくらい、たくさん走った。
(…疲れた。休もう…)
今まで休みなく走り続けていたため、足はボロボロ。
もう立っていることすらも、ままならない。
そこでふと、気がついたことがある。
『…ここ…どこ？』
…あてもなく走り過ぎた。
目の前には全く見覚えのない街なみ。
周りを見渡せば沢山の住宅、ビル、木。
まるで私を囲むようにそびえたっている。
『どうしよう…』
私のつぶやきは強い風にかき消された。
いつの間にかもう日は暮れて、辺りは徐々に暗くなってきている。
こんな時間のこんな場所なら…
…喰種が出るかもしれない。
また、食べられそうになるかもしれない。
後ろに気配を感じた、その瞬間。
「よぉ、お嬢ちゃん」
誰かが話しかけてきた。
「なぁ、聞こえてんだろ？」
怖い、怖くて振り向くことすらできない。
「おーい…あんまり無視するとオジサン泣いちゃう」
恐る恐る振り返ると…
目を赤く染め、体から尻尾のようなものを生やした男の人が立っていた。
「よーし、いい子だ。…大丈夫、痛いのは一瞬さ」
尻尾を振り回している。
今までしっかり見たことはなかったけれど、きっとこれが喰種の特徴とも言える武器なんだろう。
そして私は…これによって死ぬんだろう。
長時間走り続けた足はもはや使い物にならないし、走れたとしてもきっとすぐに追いつかれる。
前にもこんなことはあったけどその時は助けてもらえた。
ても、私は自分の意思であのばから逃げ出した。
どうせだったら潔く終わろう。
今の私には、もうそばにいてくれる人なんていないのだから…
諦めて目を閉じかけた私の耳に
届くはずのない、大好きな人の声がした。
「(人２)ちゃんっっっ！！！」
「(人２)っっ！！！」
…ような気がした。
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日本茶 - 続き待ってまーす！ (2014年11月3日 18時) (
レス) id: 05d2f106a2 (このIDを非表示/違反報告)
魔紅黒夢 - 金木くうううううううううううん！！！！！！！ (2014年10月20日 21時) (レス) id: 864f6f3c1c (このIDを非表示/違反報告)
下野恋(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります！ (2014年8月7日 11時) (レス) id: b14f4907c1 (このIDを非表示/違反報告)
alice(プロフ) - すごく面白かったです!!カネキ君がすごい好きなんですが、カネキ君の小説少なかったのでうれしいです ! これからもがんばってください!!続き楽しみに待ってます!! (2014年8月7日 9時) (レス) id: f52d64c3c8 (このIDを非表示/違反報告)
下野恋(プロフ) - 本当ですか！ありがとうございます！頑張ります！ (2014年8月5日 13時) (レス) id: b14f4907c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：下野恋 | 作成日時：2014年7月31日 15時
