16話ですよ 〜過去のお話〜 ページ18
何が起きたのかわからなかった。
私は歩道橋の階段から落ちた………?
「痛い………あ、」
自分の足を見たら絶対的にありえない方向に曲がってた。
周りの人が救急車を呼ぶ。
私を落とした人は誰かわからなかった。多分、逃げたんだろう。
岩「A!!!大丈夫か!!!」
及「落ちたの!?それとも……」
「落ちました。やらかしました。」
国「Aーー!!!!!落ちた!?落ちたの!?何してるの!?可愛い顔に傷がついたらどうするのさ!?」
「国見、落ち着こうか。なんともないから。足は折れたけど。」
金「それは大丈夫じゃないんじゃ……?」
影「お前、本当に落ちたのか?」
「落ちたんだよ?踏み外しちゃっただけ。」
そこまで話したところで救急車が来た。色々すっ飛ばして簡単に言うと、膝を骨折。治るのには1ヶ月程度かかるらしい。
「バレーボール……できないなぁ。」
最近、女バレの人たちからもひどい扱いを受けていた。みんなは口を揃えて言う。
Aは天才だから。
Aは私たちがいなくても勝てる。
天才。天才。天才。
私は人より努力しただけ。なのに天才の一言で片付けられてしまう。
悔しかった。苦しかった。強くなりたかっただけなのに。勝ちたかっただけなのに。
みんなからは私たちの苦労はわからないでしょと言われる。無視される。1人でなんでもできるでしょと、私の分だけドリンクもタオルも用意されてることはない。
それでも頑張っていたけれど………。
1ヶ月後、骨折は見事に治った。普通にバレーボールもできるらしい。
でも、その時のバレーボール部に私の居場所なんて
…………………なかった。
みんながなんで戻って来たの?と言う目で私を見る。それでも6月の最初の方までは頑張った。でも、私の心は限界だった。
6月の中旬。私はバレーボール部を辞めた。
その頃には及川さん達は高校が忙しいのか遊びに来なくなっていたし、私は男バレの人たちとも距離を置いていた。
それでもとびおとか国見とか金田一は私のところに来てくれたけれど、私はそれを
「バレーボールは飽きた。」
という一言で終わらせる。
私は一体どこで何を間違えたのだろうか。あんなに楽しいバレーボールが楽しくなくなるなんて。
私を落とした人は及川さんに好意を寄せていた先輩だったらしい。
それがわかった時、関係ないとはわかっていても及川さんを恨んでしまっている私がいることに気がついた。
だから私は私が嫌いだ。
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うたかた(プロフ) - 使天さん» え、ほんとですか!?それはもうほんとに奇跡です! (2018年10月6日 22時) (レス) id: ded82f12ed (このIDを非表示/違反報告)
使天 - 夢主ちゃんの身長が中2の私と同じで驚きました。奇跡です!! (2018年8月26日 18時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
うたかた(プロフ) - モンブランさん» あ、間違ってるところありましたか!?すいません!直しておきます! (2018年3月10日 14時) (レス) id: 25e05e664a (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - 山口の一人称『俺』だった気がするんですけど… (2018年3月10日 14時) (レス) id: 371911a4dc (このIDを非表示/違反報告)
うらかた(プロフ) - ジュリさん» そう言っていただけるとありがたいです!ありがとうございます! (2017年10月29日 12時) (レス) id: 25e05e664a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うたかた | 作成日時:2017年4月25日 20時