『運命（さだめ）』 ページ1
私には、昔から時々、発作を起こしていた。
原因は不明。謎の発作だった。
治す術もなく、私の病気は、見捨てられた。
初めての発作は、小学校に入学した時。
そして今もいつ起こるかわからない。
今は、病院で体を調べてもらっている。
麻酔が効いているせいか、眠くてしょうがない。
私は一日の入院をした。
明日は調べてもらった結果が報告される。
(明日までは、寝るか……。)
私は、眠りについた。
次の日、起きると父の深刻な顔が最初に見えた。
父は、
「すまん。大事な話があるんだ。」
大事な話は大したことないだろうと思い、簡単な心で楽に返事をした。私は、後悔した。聞かなきゃよかった。あんなこと。
「お前の病気……、治らない、重大な、病気らしい。それと…。」
母が父の隣で泣いている。
「お前の命は、後、１ヶ月と、医師が言っていた。」
私は、今の真実をそう簡単に、受け入れなかった。嫌…、受け入れたくなかった。
「な……、そんな。嘘よ……、私、まだまだ元気なのよ……？あり得ない……。あり得ないわ!!」
私は、真実を受け入れられず、泣きじゃくった。
母は、
「ご免なさい…っ!!私も嫌ですけど…ぅっ、でも、っっ!!これが、さだめだから!!」
これが、さだめ？
冗談じゃない。私はじゃあこの世に産まれてこなくても良かったの？
私は、産まれてきては駄目なの？
例え、運命であろうと、絶対にそれは許さない。絶対に私は認めないわ！認めてしまったら、私が私でなくなってしまう。
「もうっっ!!私はいったいなんなのよ!!」
私はここにはないなにかに向かって、叫んで、怒鳴っていた。誰にも分からないこの雄叫びを、誰かに聞いてもらいたくて、私は無邪気に叫び続けた。
そんな私を、父と母は、黙って見ているだけだった。
その目は、どこか薄汚れていて、悲しかった。
私は、今日命の大切さと、空しさに、腹が立った。
美月に会いたい。
私の気持ちを唯一分かってくれる、親友の元に、早くいきたい。
こんな牢屋みたいな場所はうんざりだ。
私は、ベッドを降りると、すぐに病室から、アラシのように出ていった。
運命なんかデタラメよ！
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革ベルト
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作者名：穂波＊ボカロ＊ | 作成日時：2012年5月13日 21時
