検索窓
今日:52 hit、昨日:103 hit、合計:1,592,329 hit

8 ページ8

とにもかくにも降谷さんと同居を始めるにあたって、2人で約束事を決めた。
最低限、これだけは守ろうというものである。


その1、お互いに遠慮せず家族だと思って接する。
その2、相手の嫌がることはしない。
その3、恋人が出来たらすぐに報告する。
その4、無理しない



2人で決めたとか言ってますが、その1から3は降谷さんが決めました。その4は申し訳程度に私が決めたものです。
降谷さんは徹夜が多いようだから、意外といい約束だったりする。



「では、これを約束事として守っていきましょうね」



いつの間にかホワイトボードまで用意して今の約束を書き出す降谷さんは、気のせいかもしれないけど少し楽しそうに見えた。
私はそんな彼を見ながら、淹れて頂いた紅茶を一口。ガムシロップをひとつ使っただけあってちょっと甘め。



『……なんか、その4だけ浮いてますよね』


「そんなことありませんよ。些細なことだろうと約束は約束ですから」



「文字には出してませんが、貴方との個人的な約束も大切です」と、つけ足した降谷さんの言葉に嘘はない。

とても有り難いことなのだけれど、一方的に守られてばかりというのは何となく癪だ。

私はティーカップを置いて、丁度書き終えた降谷さんを見つめる。彼はすぐに気付いてくれた。



『私もできる限り降谷さんを守ります』


「……僕を?」


『はい。
……だって貴方は、命の恩人ですから』



自業自得で怪我をした私を心配してくれて、家や温かい食事までくださり、これで感謝しない奴が何処にいるというのだ。

せめてもの気持ちとして私は彼を守れたら思う。

9→←7



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2053 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5223人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。