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精密な検査と予備の入院生活を終えた時には、私が目覚めてから1週間が経過していた。

晴れて退院、となった今日。
私は目の前に停まっている車をしかめっ面で見つめていることだろう。



『……何ですか、これ』


「僕の車ですよ」


『………いや、あの、なんで私の目の前に降谷さんの車が停まってるんですか?』



運転席から出てきた降谷さんにそう問えば、彼は瞬きを一度挟んで、首を傾げる。



「言ってませんでしたっけ?今日から僕と同居すること」


『……はい?』



何を言ってるんだろう。
私は退院したら、元居たらしい施設に戻るはずだったんじゃないの?その手続きを降谷さんがしてくれたって言ってませんでしたっけ?

…もしかしなくとも、嘘をつかれた?



「納得がいかないって顔してますね」


『……てっきりこのまま施設に帰ると思ってたんで』


「それも考えましたよ。
でも僕が有言実行するためには、君が傍に居た方がいいんです」


『有言実行、』


「僕が君を守ると言ったじゃないですか」



…正確に言えば、あの時の一人称は俺だったけど。
降谷さんは馬鹿みたいに真剣な顔して、当たり前のように言うもんだから、



『……そうでしたね』



何故だか、嬉しくなってしまった。

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作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時

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