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「すみません、少し暗くなっちゃいましたね」



眉を下げて笑う降谷さんは「花生けても良いですか?」と花瓶を取ろうと左側のベットサイドにやって来た。

私はその瞬間に、ゆっくりと手を伸ばす。



「あの、これは、」



点滴がついてる方の手で降谷さんのしっかりとした手首を握れば、驚いた顔。
ハイライトが綺麗な瞳を見つめながら、私は口を開く



『…名前も知らない私なんかを助けていただいたこと…すごく感謝してるんです。
だから、謝らないでください』


「…っ、君は僕達を責めてもいい。実際もっと早くに気が付いていたら、君が傷つけられることは無かった。」


『……この傷は自業自得ですよ。』



降谷さんが何を勘違いしてるのか分からないけど、この傷は自己責任なんだ。周りを見てれば、突っ込んできたトラックは避けれたかもしれない。
横断歩道の信号待ちでスマホを弄ってたのが駄目だったんだよ

あの時のことを思い出すとどうしてか苦しくなって、はぁと息を吐く。



『だから、責めるなんて出来ません』



目を離すことなく言い切ってやれば、降谷さんは花瓶と花束を置いて、代わりに手首を掴んでいる私の手を取った。



「……それでも僕は自分が許せない。君を、助けたかった」


『…』


「今度からは僕が…いや、俺が君を守る」



降谷さんはその場にしゃがみ込むと、私の手を両手で包み込んで額に当てる。

流石イケメンのすることは違うなぁ、と思いつつその言葉に頷いた。

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作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時

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