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「知らない人には付いていってはいけないよ」と普段から安室さんに言い聞かされているのだが。
今、この状況。
知らないお兄さん(イケメン)と二人きり。

荷物を持つと言われたときは申し訳なさ半分と嬉しさ半分で、こう言う状況になることを完全に忘れてしまっていた。


いや、しかし。
万が一安室さんに見られたとしても、簡単に説得はできる。いくら大人の男性だとしてもこんなちんちくりんなんかに手を出すことはないだろう。

それとも、何か言われるだろうか。



『(怒られるかも、しれない……)』



私は無意識のうちにぎゅっと手を握って、もし怒られた時の事を想像する。
美人が怒ると怖いって聞くけどこれはイケメンも例外じゃないと思うんだ。



「そう言えば、名前を言ってませんでしたね。僕は沖矢昴と言います」


『あ、安室Aです……』



おい私。名前ひとつ言うのにコミュ症発揮してどうする。頑張れよ対人能力。働け脳みそ!



「Aさんですか。いい名前ですね」


『ありがとうございます…』


「ところで貴女は見たところ学生くらいに見えますが、学校などはどうしたんですか?」


『え、……』



首をかしげて不思議だと言わんばかりのお兄さんの表情に、私は思わず足を止めた。


……この人が何でそこに興味を持つのかは、何となく分かる。

私くらいの年頃の女の子は皆学校に行って、授業を受けて、部活をして、放課後は友達と一緒に楽しむ青春を味わっていることだろう。

でも私はその対象に当てはまらない。
だから、お兄さんは私の事を不思議に見ている。

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作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時

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