勘違いされたらきりがない。【名探偵コナン】 (ページ13)

今日:31 hit、昨日:46 hit、合計:1,592,205 hit

13 ページ13

エプロンのを結び終えて店内に戻るといつの間にか居たはずの人達は居なくなっていて、先程よりも人は減っていた。
しかしそれはほんの数人。たったそれだけが減ったところで楽にはならない。それどころか新たにお客さんが入店してきた。

安室さんと梓さんを見れば、2人とも別のお客さんの対応をしている。

…うん、普通に大変そうだし、
あのお客さんはやろうかな。

『いらっしゃいませ。何名様ですか？』

前世でのバイトの感覚を思い出しながら2名様を席に案内して、お冷やを出した。
置いた際に『ご注文がお決まりになりましたら、お声がけください』と付け足す。

意外と体が覚えていてくれたことに安堵して、一旦キッチンの所へ下がった。
そこには少し前までお客さんの対応をしていた安室さんが居て、私の姿を見ると少しだけ眉を寄せる。

「怪我も治ってないのに、無闇に歩くのはいただけませんね」

『……すみません。でもお忙しそうだったので』

そう言って苦笑いを浮かべれば、彼はため息をひとつ。

「確かに今は忙しくて、貴方の手伝いもとても助かっています。ですが貴方はもっと自分を大切にしてください。
……じゃないと、気が気じゃありません」

「分かりましたか？」なんて、私に釘を指す安室さんは、リアルにお父さんかと思った。