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さてさて、オムライスとケーキでお腹も膨れたところで…。
『(……この状況どうしよう)』
お昼時ということもあり平日にも関わらず、サラリーマンやらOLやらデート中のカップルやらがお店にやって来て、店は大盛況なう。
ちょっと前まで一緒に話していた梓さんと降…安室さんも忙しなく動いていて、私の話し相手は居ない。なので私はカウンター席のはじっこに座って、ちびちびアイスティーをのんでいるのだ。
いや私のことはいい。
それよりも今は多忙なお2人のこと。
基本的には安室さんが料理を作って梓さんが持ってって、という流れなのだが、まぁ人手が足りてない様。
私がアイスティーを飲み終えると、ナイスタイミングで「あ、おかわりいる?」と尋ねてきた梓さん。
私は首を横に振ってから、席を立った。
『お手伝い、します』
「えっ!お手伝いって…」
『……えーと、エプロンの予備とかありますか?』
「えぇ、それはあるけど…で、でもいいのよ?Aちゃんはお客さんなんだし、怪我も、してるんだから」
梓さんの心配そうな目は自分の腕に巻かれている包帯にある。私はそれをチラリと確認してから、『痛くないので平気です』と彼女の背中を押してバックヤードに連れていく。
『……使えるものは使っときましょう?』
「使えるものって、Aちゃんはものじゃないわ」
『…大丈夫です。そういうの、慣れてますから』
前世には兄が居たけど、執事みたいな扱いだったからなぁ。そういうのは何も苦じゃないんだよね。
そういう意味を込めて梓さんを見れば何かを言いたそ気な顔をしていたけど、私はそれを見なかったことにして、予備のエプロンを受け取った。
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作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時