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『ご馳走さまでした…』


「お粗末様です。食後のデザートをどうぞ」


『あ、ありがとうございます』



まさかデザートのケーキ付きとは降谷さん…ここでは"安室さん"だ。
かなり出来る男性でいらっしゃる。

テーブルの上に置かれたショートケーキにフォークを刺し、一口サイズに切って食べる。当たり前の如く、とても美味しい。



「Aちゃん、甘いもの好き?」



おかわりのアイスティーを持ってきてくれた梓さんの言葉に、ショートケーキを口に含みながら頷く。



「やっぱり!美味しそうに食べてるから、相当好きなのかなーって」


『久しぶりなので、すごく美味しいです』


「久しぶり、なの?」


『……前はあまり食べれなくて』



前の世界ではチョコとかアイスとか大好きだったけど、体重を気にしててあまり食べれなかったんだよね。
でも此処は仮にも漫画やアニメの世界。沢山食べてもすぐに体型に反映されることは無いので、その心配はないのだ。

倒れるまで食いつくす。
それが現世のモットーです。

密かに計画を立てながら、その1歩となるケーキの二口目に差し掛かる。




そんな私には、



「……安室さん、Aちゃんって」


「…梓さんの察している通りです。
あの子は誰よりも辛い思いをしてきました」


「そうなんですね。
だからあの傷も…。

支えてあげてください、安室さん」


「分かってます。
それが僕の役目ですから」



自分の知らないところで勘違いが進んでいたなんて、知るよしもなかった。

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作者名:-naki- | 作成日時:2018年5月10日 15時

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