勘違いされたらきりがない。【名探偵コナン】 (ページ2)

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降谷.side

「すみません！この子をお願いします！」

近くにやってきた救急隊員を呼び止めて止血を済ませたばかりの彼女を見せれば、彼等は慣れた手つきでストレッチャーに乗せた。

横になる彼女を改めて見る。
こめかみからは切り傷のようなものがあるし、腕は打撲傷で所々青紫に変色していた。腹部には刺傷まで…。
不幸中の幸いというかなんというか、出血も傷もそこまで酷くなかったのが救いだ。

「…さて、」

彼女が完全に救急車に乗り込むのを見送ってから、自分は家の中に戻った。

今回俺達がこの家を訪れたのは、職場の女性事務員によるD Vの訴えがきっかけ。
最初は上司からキツく叱ってやってくれ、と頼まれてしょうがなく向かったのだが、現場は予想以上。

見た目の割に散らかるリビング。
使われた痕跡のないキッチン。
ぐちゃぐちゃのベットルーム。
そして極め付きには、酷い臭いがする彼女の部屋。

こんなものを見せつけられたら、ただで処理することなんて出来ない。
というわけで、この事が公にならないよう手配を済ませてから、同じ公安で働いている夫を呼び出してそのまま連行。
女性事務員にそれを伝えれば安心したような表情をしていたらしい。