人生とは甘美である。4 Jun.M (ページ42)

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潤の衣服は、朝と同じ状態で全く乱れた様子はなかった。
いや私が気づいていないだけ？

急いで寝室に向かう。
意を決して扉を開けた。
…ベッドも何一つ崩れておらず綺麗だった。
成美さんがいつも整えてくれているのと何ら変わりもなく。

じゃあなんで？

彼女はここに入ったの？
もしくはここに来たとして、何をしに？

それとも見間違い？
いやそんなはず…

もやもやするも、聞いてしまえば崩れ落ちるジェンガのように思えた今の私達の関係。
聞くことさえできなかった。
ずっとモヤモヤしたまま…
潤は何一つ普段と変わらない、だからこそ言えなかった。

それからも私の心情なんてお構いなしに忙しい日々は過ぎていく。
歯痒さを感じたまま。
このまま私は何も見ていないフリしたまま、なんてできるのかな？

いつか忘れる日が来る？
いや…そんな事ありえない。
彼の過去を知った以上私はもう潤を1人になんてできない。

みんなで盛大に先輩を送り出したものの、私は余裕なんて持てずに必死だった。
どうか足手纏いにならないように。
ひたすらもがくしかなかった。
幸いにも部長も周りの人も優しく教えてくれるし、助けてくれるのが唯一の救いだった。
余裕なんてものはなかった。

そんな時だった。
わたしのもう残っているはずもない余裕や蓋をして見て見ぬふりしたモノがマグマのように溢れ出したのは。