人生とは甘美である。4 Jun.M (ページ5)

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ご飯を食べ終わり片付けた後ソファに移動し、潤は私をお姫さま抱っこのような姿勢にして抱きしめた。

「…なんか、まだ全部嘘みたいだな」

「ん？」

「Aが俺の腕の中にいることが。
本当…夢を見てるみたいだなと思って」

「……そんなこと言ったら私の方が夢みたいだよ。
突然雷に打たれたような衝撃が走ったのがついこの間なんて」

「雷に打たれたの？(笑)」

「うん、打たれたの(笑)
人を…好きになるってこんなに幸せなんだね」

「ん。俺もそう思ってるよ。」

ゆっくりと唇が合わさる。

私たちは何度も互いの唇を味わうようにリップ音を立てながら、キスを交わした。

それはいつだって甘く、私達を溶けさせていく…。

唇に、互いの想いを乗せるように。

キスを交わし合うたびその想いを交換し合うように何度も何度も重ね合わせた。

想いがちゃんと伝わるように。

潤を想うだけで胸がいっぱいになる。

ただただ幸せで。

…私もこの人を同じくらい幸せにできているのなら、いいのに。

翌週になり、久々に派遣会社の営業の山本さんが会社に来た。

事前に面談があると教えてもらっていたけれど、
会議室を予約してるなんて知らなかったので少しビックリした。

てっきり執務室の奥にある小さな休憩スペースだと思っていたから。

時間になると、清水部長が、
「じゃあ行きましょうか」と私に言ってきた。

「えっ、今日部長も一緒なんですか？」

「そうよ。あれ？言うの忘れてたかも」

「そうだったんですね、今まで何回も面談はしたことあるんですけど誰かと一緒なんてなかったので」

「そうなのね。ならびっくりさせちゃったわね。
もう、いらしてるみたいだから急ぎましょう。
じゃあ私たち、会議室に行くから」
と飯島さんたちに声をかけ、2人で予約された会議室へ向かう。