人生とは甘美である。4 Jun.M (ページ37)

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俺が事件を起こしても笑って許して、怒ればいいのに、殴ればいいのに、何でいつも悲しそうに笑って慰めるだけなんだよって。

ある時これ以上休めば留年になるって学校から連絡がきて。
行きたくなかったけど早く卒業したかった。
でもそれには試験を受けなければならない、まるで勉強してない俺は焦ったんだ。
その時親父の知り合いの紫さんが俺に試験まで勉強を教えてくれることになった。
もともと勉強は嫌じゃなかったから。
彼女、昔塾の講師をしていて結婚で退職してたらしくって。」

「…結婚してたの？」

「……ああ。それで日中は時間もあるからって。
わかりやすく丁寧に教えてくれて。
俺の思春期のせいで2人に辛く当たることも理解してくれて、何かと話すのが楽しくなって。
試験が終わっても家庭教師は続けたいって初めて2人にお願いしたんだ。
俺が初めて何かを頼んだって2人とも嬉しそうにしてた。
試験は通ったおかげで俺は留年を逃れて。

…ご褒美あげるって言われて彼女の家に呼ばれたんだ。
すごい豪華な料理作ってくれて俺もすっかり気を許してて。
注がれるまま飲んだのが、酒だった…
後から気づいたんだ。
俺の人生をむちゃくちゃに壊した根源のアイツの、あの男が夢中になってた酒だって。

もちろん初めて飲んだから気分は良くなって。
でも俺はアイツみたいにはならない、ちゃんと自分でコントロールできるからって鷹を括って、飲みまくった。
だけどそのせいで体には力は入らなくてソファで横になって休ませてもらった。
そしたら……彼女がそばに来て、いきなり俺の服を脱がしてきて俺のことを……」

潤の呼吸が乱れて、目に闇を纏い出した。

「びっくりして抵抗しようにも酒のせいで力が入らなくて。
まだ俺も16歳で痩せてて大した力もないガキだった。
彼女は俺を使って……俺もだんだんそれに快感を覚えて」