人生とは甘美である。4 Jun.M (ページ29)

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「…確かに絡まれたのはビックリしたし危ないことだなってのは理解してるけど、打ち上げで遅くなったのは仕方ないよ、付き合いだもん」

潤がどれだけ心配してくれたのかは知っている。
だけど付き合い、しかも予め彼には伝えてある、なのにここまで心配されるのはちょっと異常だと思って、つい酔い任せに私は悪態をついた。

そして……最近のジレンマについても我慢ができなかった。

「そんな理由で怒ってるんじゃねぇよ」

「じゃあ、なに？」

「……お前飲み過ぎ。
俺言ったよな？あんまり飲むなって」

「なんで、…そんな事まで決められなきゃいけないの？
潤がそこまで私のこと決める権限ないよ？」

「お前が分かってないから言ってんだよ」

「だから何を？私は潤の奴隷じゃ無いんだよ。
何でもかんでも決めないでよ」

口が勝手に走った。
今の私は、自分でもおかしいと思うほどだ。
頭に血が上って、まともに判断できない。

こんな事を言いたいんじゃないのに、堰を切ったように私の心の中のものが凶暴なナイフの言葉みたいに溢れる。

潤もそう思ったのか、ますます視線が鋭くなり、ひどく苛立っているのが伝わる。
ここにいても状況は変わらないと思って立ち上がろうとした。

だけど想像以上に酔っていて体が言うことを聞かなくて、立ち上がる前に転けた。

そんな私を見て潤は大きな、だけど静かな溜息をつき益々苛立ちが増したようだった。

そして立ち上がり私の腕を強い力で引っ張り上げ立たせた後、私の見える景色が変わった。

潤が私を肩に担いでいるのだとようやく気づいたのも束の間、寝室に入るなり、いきなりベッドの上に放り飛ばされた。