人生とは甘美である。3 Jun.M (ページ39)

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「真也って？」

「俺らの近所の同世代のやつ。幼なじみみたいなもんかな。
よく家にも来ててさ。
3人でゲームとかして遊んでたよ。
そいつ今関西に仕事で行っててさ」

「で、今帰って来てるの？」

「そうみたいだな」

「…行って来れば？
その、お母様とお父様が良ければだけど…」

「けど…一人で平気？」

潤がそう聞くと、

「あら2人ともどうぞ行ってらっしゃい！
私達はAさんとゆっくり話してるから！
さぁ、行った、行った！」

潤と馮さんが半ば追い出される形で出て行かされた。

「なんだよ、俺ら邪魔者扱いかよー！」
って2人して愚痴を言っていたけど(笑)

ソファにお父様も加わり、さっきの話に戻った。

「今ね、潤と馮の昔について話してたのよ。」

「そうか…Aさんは全部ご存知なのかな？」

「はい、ある程度は…潤さんから伺っております。」

「この人ね、潤が恋人を連れて来るって聞いて、すごく喜んでたのよ。ねぇ？(笑)」

「あはは。そうなんだ、すごく喜んだけど同時にとてもびっくりしたよ。
でもすごく安心した。
今日お会いして、潤の好きになった相手がAさんのような方で私も家内もとても喜んでるんだ」

「っ、…そんな」

「潤はね、うちに来た時、施設から引き取られたことには安心していそうだったんだけど、私達にどう接すればいいのか分からないといった感じでね。
乱暴で、気性も荒くて。
当時は高校生になったばかりだったから余計に敏感で。
そして…とても愛に飢えていた。