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潤も珍しく細身のピタッとした濃い色のデニムにスニーカーを合わせ、胸がゆるく開いた白いニットを着ていた。
そして車にいくつかの紙袋を乗せ、出発した。
朝が早かったこともあり、私は車内で眠ってしまっていたらしく、起こされたのは目的地だと思われる場所に着いてからだった。
車を降り、周りを眺める。
ふと、一つの看板が目に入った。
「明凰園」と書かれていた。
私がその場所が何処なのか気を取られている間に潤は車に乗せていたいくつかの紙袋を地面に下ろし、トランクから段ボールを取り出した。
「悪い、これ持って」
手渡された紙袋は、見た目の予想よりもずっと重かった。
中に何が入っているかは包装されており見えない。
「いらっしゃい、潤ちゃん」
建物の中から60代ぐらいの女性が1人出てきて声をかけた。
「久しぶり。
最近来れなくてごめんね。
だから今日はたくさん仕入れてきた(笑)」
会話の内容もさることながら、2人の関係が全く分からない。
その女性が私に会釈をしたので、私も紙袋を抱えたまま会釈をした。
「こちらは？もしかして…ガールフレンド？」
途端に顔をニヤニヤさせ潤に聞いた。
「ガールフレンドって！古いな、言い方が(笑)」
「あら、失礼ね！
女の子は幾つになってもガールなのよ。だからガールフレンドで合ってるのよ。
本当に潤ちゃんは女心分かってないわねぇ。
そうよ、ねぇ？」
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作者名：Clara
| 作者ホームページ：https://www.instagram.com/st.clara.6/?hl=ja
作成日時：2021年5月4日 15時
