人生とは甘美である。Jun.M (ページ17)

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出社するとオフィス内がザワザワしていた。

「おはようございます。…どうしたんですか？」と部長に挨拶をすると、

「おはよう。今朝早くにね、社長がボストンから戻ってきて、
前々から進んでいたThe Headを基づけたペーパー新聞が発行されることが決定したのよ。
それでウチは提携してる各社の経済部門との記事もこれから進めなきゃだし、午後からは至急役員も含めて会議なの。
だから今日はバタバタで、あまり教えられないかもしれないわ、ごめんね。」

「いえ、大変ですね…何か私にできることあればおっしゃってください。」

「ありがとう。」

そう言い部長はバタバタと出て行った。

その日は会社全体がとても忙しそうで、私にできることはまだ全然なくて、申し訳ないながら定時で引き上げた。

会社を出ようとしたその時、ママから電話がかかってきた。

「もしもし？」

「あっ、Aちゃんごめんねー。
もう仕事終わった？」

「今終わりましたけど？」

「あのさ、今日突然なんだけど出れないかな？
1人スタッフが風邪出しちゃって熱もあったから帰したのよ。」

「そうなんですね…大丈夫です。今から出勤しますね」

そう返事をし、店へ向かった。
まだ新しい職場に慣れないだろうと思い、数日間だけお休みをもらっていたのだ。

こうして私はAから雅へと変わる。