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家政婦になって数日経った頃、研磨が原田に連れられて朝から打ち合わせに向かった。
ゴミ出しを終えたAが伸びをするとインターホンが鳴り響く。
原田と宅配以外は基本的に出なくていいと研磨に忠告されているAが画面を覗くと、黒いジャケットを羽織ったトサカヘッドの男性が映っていた。
「...宅配じゃないし出なくていいよね」
いかつめの男性にAが画面越しにびびっていると、扉をダンダンと叩く音が聞こえる。
「...おい！居るのは分かってんだよさっさと開けろ！」
も、もしかして借金取り...
居なくなるまで静かにしてようと身を潜めようとした時、ガラガラと扉が開いた。
「？！？」
ゴミ出しの後に鍵を閉めることを忘れていたAが絶望している一方で、男の声が近付く。
「研磨く〜ん？居留守使ってもバレバレだよ〜？お兄さん誤魔化せないよ〜？」
パニック寸前のAがその辺にあったキャラクターの剣を手に取り、意を決して男性の前に飛び出した。
「うわ！？！」
「け！研磨さんは外出中です故お帰り下さいまし！！！」
焦りまくって口調がおかしくなっている事にも気付かないAが震えながら剣を構える。
剣を突きつけられた男性が「ブハ！」と吹き出し、お腹を抱えて笑った。
「え、ちょっと待って、あの子ったらいつの間に！」
なにやら彼女だと勘違いしている男性がAが構えている剣をひょいと奪い取った。
「いやあびっくりさせてごめんね〜。わたくし研磨くんのお友達の黒尾です〜」
目を細めてキラキラとした笑顔を向ける黒尾にAが不審な目を向ける。
「ちょっと彼に頼んでるものがありましてね、ここで勝手に待たせて貰うんでどうぞお構いなく〜」
以前にも来た事があるかのように黒尾がソファーにどかっと座った。
続く (更新停止中)
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作者名：かなめ/ | 作成日時：2020年5月19日 21時
