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呼んでも全く振り向かないAに侑が更に呼び続ける。
侑「あーっと...そこのポニテの子ぉ〜！！」
騒がしいなと思ったAが振り返ると、侑が笑みを浮かべながら手招きした。
A「...？」
自分の事じゃないと思っているAがきょろきょろしていると、ポスターを抱えた侑が近寄った。
侑「なあ、君のことなんやけど。ちょっと今いい？」
A「えっ」
びくっとするAに侑が更に畳み掛ける。
侑「いいよなあ？」
A「あ、はい。」
侑「ふふ、じゃあテープ係頼んでいい？」
侑の圧に負けたAがテープを手渡された。
︰
︰
ポスターを抱えた侑の後ろをテープを持ったAが少し距離を置いて着いていく。
侑「そんな距離開けんでも取って食べたりせえへんよ。笑 てかさ、昨日の試合見に来てたよな？」
A「え、あ、はい...行きました...」
侑「普通に私服やったけどバレー部に誰か知り合いとかおる感じ？」
A「あー...いや...友達に誘われてたまたま...あはは」
侑「へーそうなんや」
Aが苦笑いしながら返すのも当然。
治と約束している『春高が終わるまで付き合っている事を隠すこと』が今にもバレてしまいそうでAの頭の中は大パニックだ。
侑「そういや名前なんやっけ？ごめんな、ちょっとテンション上がっててさ」
A「...テンション？」
侑「あー何でもない」
少し顔を赤くした侑が口を抑えてはぐらかす。
A「1年の水木Aです...」
侑「Aちゃんな。俺宮侑...って知ってるかあ〜！俺有名人やもんな〜！」
侑がガハハと笑いながら機嫌よく歩く。
侑「じゃあこっから貼っていこか、Aちゃん」
困惑するAを気にすることも無く、侑がにっこりと笑った。
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水木A 稲荷崎高校1年 写真部
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作者名：かなめ/ | 作成日時：2020年4月13日 17時
