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決勝戦当日
3セット目、連続得点を決めた治が汗を拭いながら観客席を見上げる。
嬉しそうに手を振るAの姿を見た治が小さく微笑んだ。
侑「試合に集中してもらえますかあ〜〜？？」
最終セットで疲労している侑が息を切らしながらムッとした顔を向ける。
治「...ツム知っとるか。ホンマに大事にしてる人の顔見たら疲れなんか吹き飛ぶんやで」
侑「うざ！！」
ピッと笛が鳴り汗を拭った侑が前を向いて構える。
侑「くそ、俺のスーパープレイで振り向かしたるからなー！」
治「無理じゃあほ」
侑の言葉に治がニッと笑った。
︰
︰
決勝に勝ち、春高に駒を進めた稲荷崎がミーティングを終える。
角「治、彼女待ってたよ」
治「...なんで知ってるん」
角「気付いてなかったの侑だけだよ？」
驚きを隠せない治が大きく肩を落とした。
治「いつから？」
角「あの子が部活の写真撮りに来た時位かな」
治「...今まで隠してきた努力」
角「顔に出すぎてるから見てたら分かる。笑」
尾「治の彼女の話？」
治「やめて」
恥ずかしそうな顔をする治がクラブバックを肩にかけて歩き出す。
北「彼女に祝ってもらうんか？」
治「北さんまでやめて下さい」
皆に冷やかされながらAの元に辿り着いた治にAが駆け寄った。
A「治くんお疲れ様！かっこよかった〜！」
治「...ありがと。充電さして」
嬉しそうに微笑むAの頭を治が優しく撫で、ゆっくり抱きしめた。
︰
︰
治「あのさ」
帰り道、2人で並んで歩いている時に治がぽつりと話し出した。
A「ん？」
治「なんかあいつらに付き合ってんのバレとったみたいやわ」
A「え？！」
今まで必死に隠してきたのは何だったのかとAががっくりと肩を落とした。
治「まぁバレとるならもう俺のAやって全面に出していけるな」
A「なにそれ。笑」
治「手も繋ぎ放題やし」
いつもならバレー部がいる付近では手を繋ぎたがらない治が恋人繋ぎして笑った。
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︰
「はー帰ろ帰ろ」
侑がつまらなさそうな顔をして帰り出す。
角「もっとキレるのかと思った」
侑「キレへんよ。サムがあんな顔する位なんやから大事にしとんやろ。」
侑の言葉に角名が関心していたのも束の間。
侑「それに俺略奪する程女に困ってないしな！」
角「うわ台無し」
がははと笑い飛ばした侑がぽつりと小さく呟いた。
侑「サムに幸せにしてもらうんやで」
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作者名：かなめ/ | 作成日時：2020年4月13日 17時
