ふられた 10 ページ10
及川はどんどんとAの方に向かって進んだ。
及川(平常心平常心平常心平常心平常心平常心。いつもの俺で接すればきっと大丈夫!)
下を向いて手帳を探すAが及川の前を通り過ぎた。
及川「あ、あの!」
声をかけられたAが振り向いた。
及川は一瞬固まりそうになったが何とか耐えた。
及川「これ、さっきぶつかった時に落としてたよ。」
Aの生徒手帳をそっと返した。
A「あ、やっぱりここで落としてたんですね!ありがとうございます。」
にこりと微笑んだAを目の当たりにし、及川の中で何かがプツリと切れた。
及川「ねえ」
A「はい。」
及川「俺と付き合わない?」
Aはあまりにも急に告白されて目が点になった。
【及川脳内】━−━−━−━−━−━−
自慢じゃないけど女の子に告白したのはこれが初めて。
だって、告白しなくても女の子の方から寄ってくるんだもん。
Aちゃんも顔を赤くしているみたいだし、恥ずかしがっているのかな?可愛いエンジェルめ。
━−━−━−━−━−━−━−━−━−━
当然、良い返事が返ってくるんだと思っていた時だった。
A「あー、ごめんなさい。ちょっと無理です。」
及川「えっ?」
A「じゃあ、失礼します。…手帳、ありがとうございました。」
Aがぺこりとお辞儀をして友達の元へ帰って行った。
岩「ん?どうしたんだろあいつ」
松「固まってるな」
花「またメドゥーサの呪い?」
及川とAの様子を見ていた3人が及川の異変に気付いた。
及川は何とも言えない表情をしながら3人の元へ戻った。
松「ちゃんと練習通りにできたか?」
花「てか固まらなかっただけ凄くね?」
岩「よくやったじゃねえか。」
3人が及川に話しかけるが、及川は全く返事をしようとしない。
松「おいおい、エンジェルと話せたからって放心状態かよ〜。」
松川が及川の肩を冗談で叩くと、及川が口を開いた。
及「ふられた。」
花「…え?」
及「ねえ!俺ふられたんだけど!!」
1062人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かなめ | 作成日時:2017年8月25日 16時