【速報】及川徹、失恋【HQ】 (ページ16)

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ふられた 16 ページ16

『おっせー押せ押せ押せ押せ青城』

『ゴーゴーレッツゴーレッツゴー伊達工』

両校が応援を始めた頃、眠そうな顔をしたAが観客席に着いた。

「あっ！Aちゃん！こっちこっち！」

Aの友達のカナちゃんが手招きした。

A「ほんと、今回だけだからね。」

「ごめんごめーん！」

溜息を吐きながら席に座ると、カナちゃんは鞄から何かを取り出した。

「ね！見て見てこれ！」

じゃーん！と言いながらカナちゃんは装飾された団扇を見せた。

そこには『二口くん、頑張って♡』の文字。

A「うわお。凄いね。」

その文字を見たAは目を大きくした。

「あれが伊達工の二口くん！かっこい～～～♡」

カナちゃんは二口くんと言う人にメロメロな様子だ。

「あ！試合始まる前にトイレ行ってくるね！これ、ちょっと持ってて！」

そう言うとカナちゃんはAに団扇を渡し、トイレへ向かった。

その頃…

青葉城西は監督の周りに集まり、ミーティングを始めていた。

監督「練習試合だからといって気は抜かない様に。」

「うす！」

及「さあ今日も勝ちに行くよ！」

部員たちと士気を高め合い、スタメンがコートに入る。

ぼーっと観客席を眺めた国見が何かに気付いた。

国「…エンジェル？」

そこには『二口くん頑張って♡』と書かれた団扇を持つAが居た。

それを見た国見は、あれを及川に見られると絶対試合に支障が出ると確信し、こっそりと岩泉、花巻、松川を集めた。

岩「どうした国見。」

国「…非常事態発生です。」

国見は小さくAがいる場所を指差した。

花「うお？！」

松「まじかよ。」

岩「…あれは及川に見せる訳にはいかねえな。今ポンコツになってもらっちゃ困る。」

国「そうですね。」

ボールを床に打ち付ける及川に気づかれない様に、4人はこの試合中に何としてでもAの姿を及川に見せない様に決意した。