ふられた 2 ページ2
お昼休みのチャイムが鳴った。
チャイムと同時に続々と生徒たちが教室を出る。
「早く行かないと牛乳パンなくなっちゃうよ！」
及川が岩泉を連れて急いで購買へ向かう。
何とか争奪戦にも勝ち、ご機嫌な及川。
「二日連続で焼きそばパンも買えちゃったし、俺ってラッキーボーイ！」
「あー腹減った。早く帰ろうぜ。」
鼻歌を歌いながら歩いていると、急いで走ってきた女子生徒と肩をぶつけた。
その拍子に及川が持っていた牛乳パンが下に落ちた。
「わ、大丈夫？怪我してな…………」
「あ、ごめんなさいっ！」
ぶつかった女子生徒が下に落ちた牛乳パンを拾い及川に渡す。
「あの、これ…」
「…………」
固まる及川を不思議そうに見る女子生徒に岩泉が気づいた。
「お前何固まってんだ？おーい、クソ川〜。及川ハンガー徹〜。」
及川は何を話しかけても反応しない。
「…わり、俺が受け取っとくわ。」
と及川の代わりに岩泉が牛乳パンを預かった。
女子生徒は岩泉と及川にぺこりとお辞儀をして去って行った。
「おい、いつまで固まってんだよお前。」
いつまで経っても動かない及川に痺れを切らした岩泉は及川の頭をスコーンと叩いた。
「お前はそこで一生固まってろ。」
岩泉が及川を置き去りにして教室に帰ろうとした時、購買へ向かう松川と花巻が現れた。
松「うーす。何してんの？」
花「分かった、1人でだるまさんが転んだしてるんだろ。」
冗談を言い合っていると、ついに及川が口を開いた。
「……した…。」
「あ、喋った。」
松川が及川が何か言っているのに気付いた。
「何つった？」
岩泉が眉間に皺を寄せて聞くと、及川がもう一度言った。
「一目惚れした。」
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作者名：かなめ | 作成日時：2017年8月25日 16時
