私は断じて、オオカミ君のサセンではありません。 ページ16
意を決して部屋に戻った私だったが、その晩は結局レゴシ君の急な外泊によって彼に胸の内を打ち明けることは出来なかった。
話せなくてもやもやとした気持ちが残ったものの、少しほっとしている自分にそんなことではだめだ、と喝をいれてその日は床に就いた。
次の日には絶対に話すんだ!そう思ってたけど…
「あの、レゴシ君。」
「あ、ジャック。そ、そのソース取って。」
「れ、レゴシ君。話が「ぶ、部活だー!」
「れご「コロ⁉そろそろ風呂の時間じゃない⁉」
そう、私話をしたい当人に心なしかというか100%避けられてます。
そんなあからさまに拒絶されたら流石に私もへこむ。ジャック君、「軽蔑したりしない。」って言ってたじゃん!幼馴染の目は間違いだったと言うのかああああ‼(錯乱)
701号室のみんなも何かただならぬ空気を感じているらしく、レゴシ君と私を二匹きりにして話す空気を作ってくれようとしてるんだけど…。
そうすると今度は部活だ、とか言ってすぐにどこか行っちゃうわけで。流石に獣が多いところで食肉とか物騒な話は出来ないし、完全に詰みである。
「もうどうしたら…あ!だったらいつも一緒にいて話さざるを得ない状況を作ればいいんだ‼」
ってことで
「入部届ください‼」
普段は部屋が一緒だし、授業も少し被ってる科目あるし、これで部活まで一緒だったらもう逃げられないでしょ。
「それでその例の友達と同じ部活に入ったと。…おマエ、オレの行為をのぞき見するくらいだから変な奴だとは思ってたけど、友達を追いかけて、とか。そのうちその友達食うなよ?」
「は⁉食べるわけないでしょ。裏市行きまくってるビルと一緒にしないでよね!」
あの夜の一件以来、ビルとはこうして同じ校舎裏っていう不良の集う場所みたいなところで話したりしている。
集まるときはお互いに気が向いた時だけで、今日行きたいなーって時に行って相手がいなかったら帰る、みたいな緩い感じで集まっている。大体は一緒に来るんだけどね、何故か。
「それで?ソイツ何部だよ。Aが将棋、とか言ったら笑うわー。」
「なにそれ、私一応特進科なんですけども?でも多分、似合わないっていうと思う。」
「えー?逆に気になるじゃねえか。早く言えよ!」
「演劇。」
「は?」
「だから、演劇部。」
「⁉ッおい、マジかよ‼オレも演劇部なんだけど⁉」
「え⁉そうなの⁉似合わないね‼」
「うっせえな。てかその肉嫌いな友達って…もしかしてレゴシかよ‼」
イヌ科とネコ科はやっぱり仲悪いのね。→←【番外編】女の子が来る!701の大掃除
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桜庭 - 続きはどうなりますか...! (8月3日 0時) (レス) @page23 id: b68e6ffcf4 (このIDを非表示/違反報告)
tsukishi773(プロフ) - くっ続きが見たいぃ" (2022年11月7日 9時) (レス) @page23 id: e89636a396 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ - レゴシとの絡みに拝むばかりです… (2021年12月19日 2時) (レス) id: c7f724abcf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬臨也(プロフ) - とても素敵な作品で続きが気になります( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ ) (2021年12月3日 1時) (レス) @page23 id: a0135bf0ac (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2021年11月7日 17時) (レス) @page23 id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きの | 作成日時:2020年3月23日 10時