【イナアレ】人ならざるもの生きるべからず【まどマギ】

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『……はい、宜しくお願いします。』





ガチャ








『──転入手続き完了。』





制服、バッグ、靴など一式の準備も、魔法で造り出しておいた。





抜かりはないわ。








『明日から雷門中に通うのね。』





この状況に懐かしさを覚えるわ。





『(私自身も、見滝原中への転入生だったからかしら。)』








魔法少女の事も、魔女の事も……何一つ知らない一般人で。





ただひたすらに、代わり映えのしない世界を、目標も何も無く過ごしていた。





『あの頃はつまらないと感じていたのに。


今思うと、とても幸せな毎日だったのよね。




ずっとこんな日々が続くものだと、それが当たり前と思っていた。


そう信じて、決して疑わなかったわ。




でも実際は、そんな事なくて……。




当然のように受け入れていた日常は、案外脆くて。


たった一つの選択で、何もかもが、あっという間に壊れていった。








──昔の私は、随分と贅沢な悩みを抱えていてものね。』








pppp、pppp、pppp……





『もう、こんな時間。』





時計の針は２本とも、１２を指している。





外ももう真っ暗。





学校へ連絡を入れたのは夕方。





長いこと考え込んでいたみたいね。





一度思考に沈むと周りが見えなくなってしまう。





私の悪い癖。








『もう寝ましょ。』





慣れないことをしたせいか、思いの外早く睡魔が襲ってきた。





カチ





リビングの電気を消して、自室へ向かう。





ガチャリ……コト





『──おやすみなさい。』





ほんの数秒で、夢の世界へと沈んでゆく。








机の上に置かれたソウルジェムは、一(・)切(・)の(・)穢(・)れ(・)を(・)貯(・)め(・)る(・)こ(・)と(・)無(・)く(・)、真っ白に光り輝いていた。

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