楽譜に滑る指。7/14 ページ5
「光先輩、こんにちわ!」
「こんにちは、Aちゃん」
私が今、絶賛片想い中の光先輩。
光先輩に思いを寄せてる人は多いからすごい競争率なんだけど、
光先輩はそんなのお構いなし。
天然なのか、告白も告白ということに気付かない。
そして女の子は撃沈する。
私は、光先輩の彼女になりたいわけではない。
光先輩がベースを弾くその横顔が好きで、ずっと見ていたいだけ。
恋愛感情はあるけど、でも。
私なんかが、光先輩の彼女になんてなれるわけないし。
ん?
「すいません、、、光先輩」
「どしたの〜??」
「ここのところちょっとわからないんで教えてもらってもいいですか?」
分からないところの楽譜をぴっと指差す。
「あぁ、ここはね、こうするの」
光先輩が、私の指の上から押さえた。
そしたら、必然的に後ろから抱きしめられてるような形になって。
「・・・先輩」
「っ、ごめんAちゃん」
先輩は少し早口になりながら急いで離れた。
「いえ、大丈夫です。別に・・・」
照れ隠しに少し俯く。
そっと横を見ると。
「・・・なに?」
顔を真っ赤にした光先輩がいた。
「先輩、もしかして熱でもあるんじゃ―――」
「だいじょうぶ、ほっといて」
伸ばした腕は振り払われた。
「ごめんね、Aちゃん。俺やっぱり、・・・・・・だ」
「え?先輩、今何か言いましたか?」
「っ、いっ、いやっ、言ってない」
聞こえていたのに、聞こえないふりをした。
あまりにも衝撃が多すぎて、聞こえたことにしたくなかった。
�牴兇笋辰僂蝓�Aちゃんのことが好きだ��
楽譜に滑る指。の説明のようなもの。→←泣きたくなったら。の説明のようなもの。
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