Spring. ページ2
｢この場所さ。 ｣
｢ん。 ｣
｢桜自体からは遠いけど、桜が咲いている所全体を見ることが出来るんだね。 ｣
｢やーっと気づいたか。 ｣
｢もしかして考えてたの？ ｣
｢考えてた。 ｣
私たちの座るベンチから見える景色は、とても良いものだった。目の前に広がる連なった桜の木。もちろん桜の下で桜の花びらが舞っているのを見ながらでも充分楽しいが、この景色はここでしか楽しめない、そんな景色だ。思わずスマートフォンを取り出し、写真を撮ってしまう。
｢上手く撮れない……。 ｣
｢なんで1人で自撮りしてるんだよ。｣
｢いや、桜と私的な。 ｣
｢……思い出なら俺も入れろよな。ほら。 ｣
少し強引に肩を寄せられ、彼のスマートフォンの内カメラで写真を撮る。
パシャリ、と簡易な音が鳴り、データに変わる。
｢はい、思い出。 ｣
｢ありがとう。
……写り、大丈夫かな。 ｣
｢気にする程じゃないだろ。 ｣
｢あっくんは問題ないけど、私は気にするよ。 ｣
｢……Aはいつも可愛いから大丈夫だよ。 ｣
｢すーぐそうやってからかうんだから。 ｣
｢……本気に決まってるだろ？ ｣
照れているような表情を見せる彼。おもわず私も顔が紅くなる。これは春の陽気のせいか。何か。
｢……ありがと。 ｣
｢また来年も来ような。 ｣
｢もちろん。 ｣
桜マジックにかけられて。
fin
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琳葉(プロフ) - 南沢さん好きなのでめっちゃ嬉しいです！これからも無理なさらずに更新がんばってください！ (2020年5月2日 20時) (
レス) id: 5e5098d3db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2018年4月2日 0時
