ツルネー風舞高校弓道部ー (ページ46)

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「俺は、気の利いた言葉とかかけられないから単刀直入に聞く。

あの日、模擬試合した日から相楽の様子変だ。

なにか、あったのか？」

湊は早気になった時のことを教えてくれた。

私だけが言わないのはフェアじゃない。

それに湊に、聞いてほしい。

「私は、中学の時に二回早気になったの…」

湊が目を見開いたのを見て苦笑しながら話しを続けた。

「初めて早気になった時のきっかけは私が部の空気を乱していると先輩に怒られたこと。

私の中学のモットーはワイワイ楽しく弓を引くことだったんだけど、

当時の私は…なんて言うんだろ…一人だけガチ？で弓を引いていることがそのモットーに反してたみたいで…

今思うと怒られるようなことなんてしてないし、他の部員の人も気にしなくていいって言ってくれた。

けど、その先輩と同じように思ってたんだと思う。

私は距離置かれてたし…。それが悲しくて、私もそのモットーで弓を引こうって決めた。

その後すぐくらいに早気になった。それが一回目。

二回目は、中三の全国をかけた予選の決勝の時がきっかけになったと思う。

そのモットーを守り続けて弓を引いてきた私は今まで通りワイワイ楽しくの雰囲気でいた。

でも、その態度がチームメイトにとって腹ただしかったみたいで”そんなヘラヘラして、勝つ気あるの？！”って言われた。

モットーを守ってきたし、ヘラヘラしてるつもりもなかった。でも、他の人からはヘラヘラしているようにしか見えなかったみたい。

結局ギクシャクしちゃって、そのまま試合に臨んで早気になるし結果はボロ負け。

試合後、謝ってくれたけどチームメイトになれきれなかったこととか、早気のこととかで団体戦が怖くなっちゃったの…」

湊の顔が見れなかった。

カッコ悪くて、こんな私を見て欲しくなかった。

「一人で引いている時は、弓、引けるのか？」

「引けるよ、個人戦では優勝できたわけだし。

でも、呪文を唱えないと引けない」

呪文…？と湊が首を傾げた気配がした。