ツルネー風舞高校弓道部ー (ページ5)

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説明が進んでいくと経験者の射技を見ることになった。

多分トミー先生の隣にいる入学式挨拶をした藍髪くんがみせるのだろう。

どんな射を彼はするのかな？

「あ、そこのぉー鳴宮湊くん、ちょっと引いてみてくれんかのぉ」

えっ？と声をあげたのは私の隣にいる黒髪くんだった。

え？藍髪くんが引くんじゃないの？
女子部員の子段取りと違うって…それに、今藍髪くんグッジョブっていわなかった？

皆の前で引きたくなさげな黒髪くんこと鳴宮湊くんを追い込むようにトミー先生は見学者に見てみたいよのぉ？と同意を求めた。

道場は拍手に包まれて後が引けない空気になっていく。

鳴宮湊くんの顔に影が差していった。

そんな彼にイラついたのか赤髪くんは舌打ちをうち彼に弓の重さもろもろを聞いていく。

少し強引すぎではないだろうか。

なんだかんだ体操服に着替えた鳴宮湊くんは射位に入っていく。

「綺麗…」

体配がとても綺麗だった。
藍髪くんの射を楽しみにしていたのに私はもう彼から目が離せなかった。

取りかけた彼は的を真っすぐ見つめ射に入っていく。

会目前まできた彼は口割りにつくとすぐに離れ、的に届くことなく的の下にささった。

早い、とこぼす見ていた人たち。
トミー先生は緊張したのかのぉとこぼしたが、多分あれは違う。

残りの矢も的に届くことはなかった。