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今日も湊と朝練をしていたんだけど、昨日出し忘れたノートを提出するために一度道場を離れていた。
戻ってくると、何故か全員集合しているという謎な光景。
中にいる湊と静弥は何かを話しているみたいだ。
話し終わったのかかっちゃんを筆頭にこちらへ歩いてきて、それを遼平と七緒が追いかけた。
かっちゃんは私の顔を見るなり舌打ちをうち振り返って七緒たちに声をかけた。
「俺を呼んび出したのはあいつの話聞かせるためか」
「まぁ、ね。かっちゃんなかなか素直にならないからきっかけがいるかなって」
なんとなく話の流れはわかったけどかっちゃんは納得いかないような、険しい顔つきになる。
言いたげに口を結ぶ遼平は言う勇気がでないみたい。
その時、
ーカァン
空をかけ抜けるような弦音が遼平の背中を押す。
「俺は信じるよ!!いつか克服して、必ず凄い射を見せてくれるって!!」
遼平の力強い目と言葉はかっちゃんに響いてるんじゃないかな。
この際だ、私も乗っかっておこう。
「湊は本当に弓が好きなんだよ。
好きだからこそ、早気に苦しんでる。
弓を好きじゃなかった苦しみから簡単に逃れて弓なんて引かない。
ねぇ、かっちゃん。信じてあげて。湊のことを」
かっちゃんは私に視線を移しすぐにそらした。
素直になるなら今だと七緒は言う。
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作者名:銀河 | 作成日時:2019年2月1日 21時