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「部に入るつもりはないとか、俺はもう弓引きじゃないとか、色々言ったけど、やっぱり弓が引きたいんだ。
今までの態度は謝罪します。
俺を入部させてください。お願いします。」
次の日の放課後のことだった。
弓と矢を持った湊が道場に来て頭を下げた。
そんなのいいのにな…なんて思いながら律儀な彼に静弥と声を合わせて「もちろん」と言った。
他の女子部員も受け入れて、静弥と遼平は特別嬉しそうに見えた。
遼平は入った湊に早気は治ったんだろ?と聞くがそんな簡単に治るものではないし、こんなに苦労もしない。
遼平の無邪気な声に少しイラついてしまった。
湊はそんなに気にしていないようでまだ治っていないと遼平に言う。
…そんな湊を見て恥ずかしくなった。
この苦労を理解しろって思う方がおかしいはずなのに…。
「治ってないのに、お前は部にノコノコ入ろうってか」
また、あいつ…。
「あぁ」
湊のまっぐな返事に眉間に皺を寄せるかっちゃん。
何だ、そのデカい態度。
さっきからあんまり心が穏やかじゃないんだから、これ以上イラつかせないでくれないかな…。
心の荒ぶりを誰にも悟られないように、いつもより笑顔を張り付けてその日は終わった。
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作者名:銀河 | 作成日時:2019年2月1日 21時