ツルネー風舞高校弓道部ー (ページ11)

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矢数だけかけている彼は、一体なんのために…？なんて1人で考えていると湊は「いくつですか？」と聞いていた。

80あと20と答える彼に脳内で計算せずともわかる数字100と出てくる。

100も1日で引いてるの?!なんて驚いてると私達の反応に気づいたのか「別に今日だけじゃない」と返された。

今日で97日目と彼は言う。

よく、そんな長い間引いてきたものだと心の中で尊敬する。

「え！てことは1万…？」

湊の呟きに確かに！なんて1人で納得すると男の人は笑った。

湊の手当が終わったようだ。

膝の上にいたフウはまた飛びたち男の人の肩にとまった。

「引いてみるか？」

たしかに、湊にそう言った。

竹弓を持った彼は「お前経験者だろ？」と弓を差し出した。

そんな彼に少し困ったように湊は目を伏せる。

今日のこともあるだろうし、早気になってしまった時のことを思い出したいるのだろう。

知らない彼は遠慮するなって、ともう一度湊に弓を差し出した。

ここに来た理由は知らない。

耳に入ってきた弦音に引き寄せられたから、

湊は無意識だったんだと思う。