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「ほう、大きな願いだな。だが、代償も大きくなるぞ。いいのか？」
きらりとおばあさんのつぶらな目が光る。
「…まぁそれでも構わないわ、願いが叶うなら」
どうせ、2日後には成功率の低い手術が待っている。
「いいのか、本当に？
命と引き換えに、と言われても？」
「…叶ってからにしてよね、後払いよ」
「いいだろう、叶えてやる。ただし、1日だけ。
お前の残りの寿命と引き換えに出来るのは1日が限界だ」
そう聞いた後、視界が一瞬にして真っ白になる。ふわりと体が軽くなった。
服は入院服から、綺麗なワ ンピースに変わっていた。
…でも、それ以外なにも変わっていない、気がする。
「…これでいいの？」
「ああ、これで明日の昼の12時までお前は自由だ。どこに行ってもいい、何をしてもいい。
病院の方にも混乱が起こらないように魔法がかかっている」
にやりと不敵に笑うおばあさん。
「…あなた、魔女？それとも、悪魔？」
「さぁどうだろうね。
言っておくけど、12時になったら自動的に魔法は解けて、お前は天界に行くんだ。
思い残すことはないようにな」
ふっと笑うと、そこにさっきまでいたのが嘘のように、おばあさんは消えていった。
…本当に自由なのかな。腕から点滴を抜き、そこらじゅうを歩きまわってみる。
「きつくならない」
いつもなら、数歩歩いただけでも心臓が踊りだす。だからいつも移動は車いす。
…なのに、今日はちっともきつくならない。心が軽い。
「……本当なんだ」
ふとみたテーブルの上には、さっきはなかった懐中時計が置かれていた。
23：57：48
どんどん数字が減っていく。そうか、これはタイムリミットか。
どうせ死ぬなら、遊びまくってやる。
ギュッと懐中時計を握り、ポケットに携帯を突っ込んで病室を飛び出した。
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BERU - すごく感動しました。私は大切な人を失うという感覚はわかりません。もし大切な人を失ったら私はその時何を思うんでしょう(＞＜)でも大切な人は失いたく無いです。これからも大切に毎日毎日生きていきたいと思います。 (2018年7月8日 20時) (
レス) id: b33c82a94e (このIDを非表示/違反報告)
柴崎 彼方(プロフ) - ive kanadaさん» コメントありがとうございます。読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m (2018年5月7日 0時) (レス) id: a8ce4c24a2 (このIDを非表示/違反報告)
ive kanada - 切ないですね。実は私も、昨年の夏に大好きな彼を失いました。辛いですよね。次の作品も頑張ってください。 (2018年4月29日 21時) (レス) id: d2d4448e52 (このIDを非表示/違反報告)
柴崎 彼方(プロフ) - 無気力零架さん» コメントありがとうございます！そうなんですか…(＞＜) (2017年4月3日 0時) (レス) id: a8ce4c24a2 (このIDを非表示/違反報告)
柴崎 彼方(プロフ) - 雷斗さん» 嬉しいコメントありがとうございます(*^_^*)頑張っていきたいとおもいます！ (2017年4月3日 0時) (レス) id: a8ce4c24a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2015年3月26日 22時
