陰陽五行説 (ページ43)

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四十三ページ43

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其の壱.試練で手に入れたかんざしは何でも貫く矛になろう

其の弐.試練で手に入れた筆で描けば具現化するであろう

其の参.試練で手に入れた手鏡は何物も通さない盾となろう

其の四.試練で手に入れた宝玉はどんな傷も癒すであろう

其の五.試練で手に入れたひょうたんは何でも閉じ込めよう

其の六.試練で手に入れた数珠で確実に口寄せできるであろう

其の七.試練で手に入れた扇子で確実に除霊できるであろう

三大怨霊との戦いは困難を極める

壱に陰と陽

弐に土と水、そして木

参に火と金

戦いの鍵を握るのは陽

●●を出すべし

さすれば道は開かれる

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「めっちゃ重要な部分が読めへんやんけ！」

「でも良かったやん。かんざし、頭につけんで良くて。(笑)」

しげと神ちゃんの会話をぼんやりと聞く。

全員で円になり地べたに座りながら話しているが、文章の一部分が汚れなのか滲みなのか黒ずんでいて読めなかった。

俺は手に入れた扇子を開いてみる。

そこには陽の部分は桃色、陰の部分は紫色で描かれた対極印があった。

これがあれば確実に除霊できる……。

「しかし、この壱に陰と陽・弐に土と水、そして木・参に火と金って何やろな？」

「何かの順番とか？」

照史と濵ちゃんが考えるが、答えは出ない。

「鍵を握るのはのんちゃんか……。」

淳太が心配そうな顔で俺を見つめる。

とたんに不安に襲われ、手をぎゅっと握った。

「望、大丈夫や。」

俺の頭をわしゃわしゃと撫でて濵ちゃんが立ち上がる。

そうやな。

今考えたってしょうがない。

どうなるかなんてその時にしかわからないのだ。

濵ちゃん、ありがとう。

そろそろ戻らないと明日は平日だ。

四回生組は問題ないらしく、そのまま今日も泊っていくそうだが俺たちはそうもいかない。

明日もしっかり朝から講義がある。

「帰りって近道とかあるん？」

「何言ってんねん。来た道戻るんや。」

流星と濵ちゃんの会話を聞きながら上って来た石段のところまで歩く。

見送りに来てくれた濵ちゃんのお父さんに挨拶をしたら出発だ。

「絶対帰りの方がツラいやん！」

照史の絶叫を聞いて石段を見下ろすと、結構な傾斜だ。

上っている時は必死だったから気が付かなかった。

疲れもあって膝が笑う。

皆でひーひー言いながら石段を下りた。