四十一 ページ41
「はぁっはぁっ……。」
最後の一人を除霊し終え、皆の方を見た。
全員目を見開いたまま固まっている。
「まさか、ここまで鍛錬してたとはなぁ……。望君お疲れ様。」
最初に口を開いた�陲舛磴鵑里�父さんは、微笑みながら俺の肩をポンと叩く。
「小瀧、凄いやん！」
「のんちゃんお疲れ！」
しげと神ちゃんは興奮して俺にかけ寄ってくる。
その後ろから淳太と照史、流星も微笑みながら近づいてきた。
「ようやったな。」
流星にそう言われ、ようやく現実身を帯びてきて一気に力が抜けた。
除霊中は無我夢中だった。
へなへなとその場に座り込む。
「望、拝殿見てみ。」
�陲舛磴鵑妨世錣譴進�を見ると、桃色に輝く木箱があった。
これで本来の能力を手に入れられる。
「のんちゃん、開けてみてや。」
淳太が嬉しそうな顔で言う。
小さく頷き、木箱に手をかける。
中には俺の家の家紋が入った桃色の扇子と巻物が入っていた。
二つとも手に取ると、俺の体は桃色の光に包まれる。
あったかい。
しばらくすると光は収まった。
手のひらを見てみるが特に変わった様子はない。
あれ？おかしいな。
「望、背中なんちゃう？ �陲舛磴鵑眷愧罎笋辰燭笋鵝�」
照史にそう言われ、慌てて服を脱いで上半身裸になる。
背中を見てもらうが皆口を揃えて「ない」と言う。
「�陲舛磴鵑匹Δ靴茵�俺の体には何も描かれてないみたいや……。」
そう言いながら振り向くと、�陲舛磴鵑浪兇梁里鮓�て指さした。
「左胸見てみ。」
そこには桃色の対極印が描かれていた。
思っていたよりかはスムーズに試練を攻略できたとは思う。
占い、外れたんかな。
不思議に思いつつも、手に入れた扇子と巻物を見る。
「え、待って。これ”下”って書いてある。」
「って事は”上”もあるって事？」
照史が興味深そうに俺の手元を見て言うと、皆も興味深々に俺の手元を見つめる。
「その通りや。”上”は俺が持っとる。」
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作者名：かんた | 作成日時：2020年4月30日 23時
