三十九 ページ39
「ただいまー。」
玄関に�陲舛磴鵑寮爾�響く。
移動だけでも疲れただろうからと、今日は実家にお泊りさせてもらう事になったのだ。
明日の試練は万全の態勢でなければならない。
試練を受ける為の神社はこの家の裏の山の中にあるらしい。
「姉ちゃん二人の部屋が余ってるから、そこ使って部屋分かれよか。」
�陲舛磴鶸泙畄算个澆兵族箸�らは出て行っているそうだ。
�陲舛磴鵑箸�兄さんは同室で、代わりに一番広い部屋らしい。
三・二・二で分かれる事になり、せっかくだからとジャンケンで決める事になった。
「ほんで？ 試練は大丈夫なん？」
同室になった流星は鞄をガサゴソしつつ口を開いた。
「神ちゃんの試練の時よりかは。」
あの時は鍛錬をし始めたばかりで、結界も半径三メートル程しか出来なかったし、時間も十分くらいしか維持できなかった。
今は半径二十メートルくらいは出来るし、時間も一時間くらいなら余裕だ。
破邪の法も九字を読み上げるのにも慣れ、除霊の確立も八十パーセントくらいまでは上がった。
自分でもかなり頑張ったと思う。
「あったあった。ほらこれ、あげるわ。」
「何これ？」
鞄から取り出したのは何やら少し重みのある水色の封筒。
恐る恐る中身を取り出すと、五芒星を象ったシンプルなネックレスだった。
五芒星は陰陽道では魔除けの呪符として伝えられている。
印にこめられたその意味は、陰陽五行説、木・火・土・金・水の5つの元素の働きの相克を表したもの。
「お守りや。明日頑張れよ。」
「流星……。」
何としても明日の試練はクリアしてみせる。
例え未熟、無力さを味わったとしても。
「ほな行こか。」
全員の靴が履き終えたのを確認して、�陲舛磴鵑�声をかける。
先頭を歩く姿はいつもよりも頼もしく見える。
「なぁ、何で小瀧の試練が�陲舛磴鵑亮族箸辰特里辰討燭鵝�」
しげが声をかけると、�陲舛磴鵑呂罎辰�りと振り返った。
「俺と望の能力は対極に位置する。俺は望の祖先が祭られている神社で試練を受けた。やったら望は俺の実家で受けるのが自然やろ？」
なるほどと全員が頷くのを見届け、また前を向いて歩き出す。
暫く歩くと神社の入り口が見えてきた。
「試練はまだ先やけど……、皆にとったらこれも試練かも？」
そう苦笑いしながら軽快な足取りで先に行ってしまう。
俺たちの目の前には、先が見えない程の長い石段があった。
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作者名：かんた | 作成日時：2020年4月30日 23時
