陰陽五行説 (ページ33)

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三十三ページ33

玄武の木彫りと目が合った。

この神社には流星の守護獣である玄武が祭られている。

玄武のギョロりとした目が少し怖くてすぐに目をそらす。

今回も鳥居をくぐったところで、流星はオーラみたいなものに包まれる。

青色なんや。

「今日エナジードリンク二本飲んできてん。」

飲み過ぎやろ。

でも、それだけ気合を入れているという事はわかる。

「よしっ！」

そう気合を入れると、本殿の前で二人は向かい合った。

今日も試練が始まる。

濵ちゃんの首が項垂れると、張り詰めた空気になった。

みんな緊張しているんだろう。

玄武はどんな守護獣なんだろうか。

『……。』

あれ？

何も言わない。

でも濵ちゃんの首は項垂れたままだ。

という事は憑依はしているのか？

流星も困惑している。

「玄武？」

意を決して濵ちゃんの肩を叩く流星。

するとピクッと肩が動く。

ゆっくりと顔を上げて流星を見つめる。

『すまない。寝ていた。』

まさかの言葉に全員がズッコケる。

マイペースな守護獣やなぁ。

『試練を受けるんだろ？しっかりな。』

それだけ言うと、また首が項垂れてしまった。

え、それだけ？

「え？終わり？え？」

流星も状況が飲み込めないようでオロオロしている。

その声で大きかったのか、いつもよりも早く濵ちゃんが起きる。

「何か今日ここ来てもそんなに玄武から強い意志を感じへんかったんやけど、ちゃんと話できた？」

濵ちゃんも心配そうだ。

状況を説明すると、納得したような表情になる。

「多分ほんまにそれだけやと思うで。」

マジか。