陰陽五行説 (ページ23)

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二十三ページ23

黄麟の木彫りが所狭しと並んでいる。

前の青竜も迫力があったけど、こちらも負けず劣らずだ。

本当は全員で来る必要はないが、やっぱり他の人の試練が気になるようで全員でこの神社に来た。

濵ちゃんは強制参加だが。

「ほな、行こか。」

照史がそう言い、境内に一歩踏み出す。

鳥居をくぐったところで急に橙色のオーラみたいなものに包まれる。

そう言えば、前回はこのへんで濵ちゃんに眩暈が起こって大変だった。

しかし今日はいたって普通だ。

「濵ちゃん、今日は大丈夫なん？」

神ちゃんが気づかって声をかける。

心配そうな表情だ。

「あ、大丈夫やで。『言いたいことは青竜と一緒や！』って多分言うてる。(笑)」

麒麟は一体どんな守護獣なんだろう。

前回と同様、本殿まで来ると濵ちゃんと照史が向かい合う。

俺はもちろん一番後ろ。

前回よりも冷静に口寄せを見つめる。

青竜は威厳のある感じがしたけど、やっぱり守護獣によって性格も違うんかな？

そんな事を考えている間に、濵ちゃんの首が項垂れた。

……来る。

背筋を伸ばした。

『おーおーおー！ようやく会えたなぁ！照史！』

麒麟の第一声に拍子抜けした。

まるで久しぶりに会った親戚のおじさんのテンションだ。

『会いたかったぞ！』

そう言い、照史を抱きしめる。

照史も困惑しているようで俺たちの方をに助けを求めるような視線を送ってくる。

俺らには無理や。頑張れ。

小さくガッツポーズを作ると、腹を括ったような表情で麒麟に向きなおした。

『試練だろ？わかっているぞ！受けるのか？』

「何で知って……。」

照史が言うと、麒麟は笑い出した。

『何を言ってるんだ！一緒にいたじゃないか！がはははは！』

バシバシと背中を叩く。

痛そうだ。

「俺にも試練を受けさせて下さい。」

照史が真剣な表情でそう言うと、麒麟は笑うのをやめた。