二十 ページ20
「何や？！」
いきなり叫ぶその姿に驚く。
何が何だかわからない。
聞くと、遠くから爆発音が聞こえたそうだ。
耳が発達している流星だけに。
「俺だけしか聞こえんかったん？」なんて首を傾げてる。
「神ちゃん大丈夫かな。」
不安に思ってつい本音が口から出てしまった。
しまったと思ったが、もう遅い。
心配で様子を見に行きたいのは山々だが、いかんせんこの試練は一人で受ける事になっている。
「神ちゃんの能力は俺らよりも強力やから大丈夫や。」
しげの言葉を聞いた流星も口を開く。
「そう言えば、神ちゃんは十五の頃に知ったって言ってたんやけど、早い段階から知ってたから能力が強力なんかな？」
そわそわし出した俺の気を引く為なのか、そんな話をする。
そっか、二人は神ちゃんの実力を知ってるのか。
だからそんなに心配せずにいられるんだ。
「能力は鍛錬すればするほど強力になる。」
答えたのは�陲舛磴鵑澄�
その言葉にしげと流星はお互いに顔を見合わせる。
「という事は、早くにわかっている方が有利って事やな。」
「早くにわかってても鍛錬してなかったら意味ないけどな。」
二人の会話を聞いて、やっぱり少しでも鍛錬してみて良かったと心から思った。
だって神ちゃんが試練を受けているという事は、きっと他の能力者にも試練があるという事だ。
もしかしたら俺にも。
「ごめん、お待たせー。」
そう言って現れたのは神ちゃん。
待ち合わせに遅れてきた女子か。
少し砂埃をかぶっているが、特に怪我などはなさそう。
「神ちゃん！無事で良かった！」
何だ、やっぱりしげも心配してたのか。
一番に神ちゃんの元に行き、怪我がないか確かめている。
「ほら、これ見て！」
神ちゃんがニコニコしながら握っていた手を開くと、そこには五つの緑色の宝玉があった。
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作者名：かんた | 作成日時：2020年4月30日 23時
