十八 ページ18
『やっと、会えたな。』
いつもより低い声でニヤリと笑った�陲舛磴鵝�
いや、青竜か。
いつもの柔らかい雰囲気や顔つきとは全く違う。
その姿に神ちゃんも緊張が隠せないようだ。
俺、一番後ろで良かった。
『お主にずっと伝えたいことがあったのだ。』
「はい……。」
今から何を言われるのか、不安そうな神ちゃん。
皆も真剣な表情で見守っている。
『単刀直入に言おう。お主の力は不完全だ。』
「え？」
予想外の言葉に、キョトンとしている。
『ここに来てからは力がみなぎるであろう。それが本来の力だ。』
確かに、ここに来てからの神ちゃんはずっと緑色のオーラみたいなものを纏っている。
という事は他の皆も同じって事なのか？
神ちゃんは自分の手のひらを見つめている。
『ここ以外の場所で本来の力を発揮できないのは、お主が未熟だからだ。』
神ちゃんは顔を上げ、青竜を見る。
未熟と言われて少し悔しそうだ。
「では、どうすれば本来の力を使えるようになるのですか？」
『試練を受けろ。もちろん一人でだ。その試練を受けてこそ本物の能力者となる。受ける気持ちがあれば、本殿の裏にある木箱を空けよ。』
「わかりました。ありがとうございます。……後、これからもよろしくお願いします。」
神ちゃんがそう言うと、青竜はフッと微笑んだ。
その瞬間、また�陲舛磴鵑梁里領呂�抜け、カクンと項垂れた。
「……�陲舛磧爾鵝�」
数分しても起きない�陲舛磴鵑法⊃世舛磴鵑�恐る恐る声をかける。
もしまだ青竜が憑依していたらと思うと、俺は怖くて近づけない。
他の皆も同じようで誰も二人に近づこうとしない。
「んー……。 あ、終わった？ 何て言ってた？」
良かった。いつもの�陲舛磴鵑澄�
いつも通りの姿に安心したのか、皆さっきあったことを話す。
「ほーん。ほな、行こか。」
そう言うと皆で裏側に回る為に立ち上がる。
慣れてるんやなぁ。
本当にいつも通りだし、ちょっと昼寝でもしてたんじゃないかと疑うほどだ。
もうすっかり眩暈はないようで、それだけはちょっと安心した。
「あった。」
目が発達している神ちゃんは裏に行くとすぐに見つけた。
床下に相当古い木箱が一つ置いてある。
一つ深呼吸した。
「開けるで。」
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作者名：かんた | 作成日時：2020年4月30日 23時
