陰陽五行説 (ページ12)

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十二ページ12

「え？え？」

驚きすぎて「え？」しか出てこない。

こんな事ってあるんだろうか。

同じサークルに能力者が六人も……。

あ、でも二人は流星らが能力者って事は知らないのか。

「ホンマやで。俺の能力の元素は土。守護獣は黄麟。黄麟のおかげで口が発達しとる。」

そこまで言われると本当なのかなと思えてきた。

照史の口が発達してるのはよくわかる。

だって、

「”食べるの早いから”って思ったやろ。」

「それも思ったけど。(笑) 照史は口が上手いから納得やなって。」

俺がそう言うと、むくれていた顔が少しだけほころんだ。

「俺は金の元素の能力者。守護獣は白虎で、発達してるのは鼻。」

そう言うと自分の鼻を指さした。

何かそのポーズ様になるな。

なんて現実逃避したくなるほど違う事に考えがいってしまう。

「のんちゃんが来たことも、においでわかったで。」

「え、何か犬みたいやな。」

「犬ちゃうわ！」

プリプリ怒っているが、全然怖くない。

寧ろ犬みたいと思ってしまったからか、犬にしか見えない。

あれやな。淳太はヨークシャー・テリアや。

「二人はどうやって能力を知ったん？」

お互いに知っているようで、懐かしむような顔で話し始めた。

「俺は親からそういう家系やでって言われててん。長男やし、割とすぐわかったかな。確か三歳くらいやったかな。」

代々受け継がれている能力だから大事にしなさいと親から聞かされて育ったらしい。

何か想像がつく。

淳太お金持ちっぽいもん。

あ、だから金の能力者なんか？

「俺は望と同じ感じ。淳太君と濵ちゃんとパワースポット行ったら急に霊見えてビビッてもうて。(笑) 二人盾にして逃げまくったわ！」

二人は当時の事を思い出したのか笑い始めた。

「あの時、多分濵ちゃんも見えてないのに照史が盾にするから、濵ちゃんめっちゃ混乱して(笑)」

「『何！？どうしたん！？どうしたらいいん！？』ってな(笑)」

濵ちゃんに同情した。

俺ならキレてる気がする。(笑)

二人とも笑い過ぎて涙が出てきている。

「ほんで何とか逃げ切って、横山教授に相談したら『お前、能力者やで』って。同じ感じやろ？」

頷き、親子丼の最後の一口を口に入れるが冷たい。

しかし、俺と同じように発覚する人って意外と多い事に驚いた。

「ちなみに俺らの能力の事は、今いる三人しか知らへんで。」

「望が能力者って事がわかったなら、隠す必要はないからな。」

二人の言葉に、また心が温かくなるのを感じた。