1 ページ1
「結局寝れんかったなぁ……。」
昨日起きた事が忘れられず、一睡もできなかった。
気分は最悪だし体も重いが、そんな事は言っていられない。
体に鞭を打つように、あえて冷たい水で顔を洗った。
少しはスッキリするかと思ったが、あまり変化はなかった。
それなら温かいお湯で顔を洗えば良かったと、少しだけ後悔した。
寝ぐせのついた髪の毛をお湯で濡らし、ドライヤーで乾かした。
いつもなら少しはヘアセットをするが、今日はそんな元気はない。
薄っすらと生えた髭を剃り、着慣れたスーツを身に纏って5階の集合場所へ向かった。
GADによるSAJ本部襲撃から一夜明け、JWの今後の体制が発表されるのだ。
すばる君亡き今、きっと村上君が総司令に就任するのだろう。
副官や参謀は誰になるのか、少し考えてみたけれども寝不足の頭では中々考えがまとまらなかった。
エレベーターの下ボタンを押したところで、誰かに声をかけられた。
「……�陲舛磴鵝△�はよう。」
声を聞いただけで誰かなんてすぐにわかってしまった。
元気がないのはお互い様だ。
「おはよう、淳太。」
顔を見ると目の下にハッキリとクマができてしまっている。
淳太も寝られなかったんだろう。
自分だけじゃなかったのかという安心感と、淳太のあまりにもひどい顔に少しだけ苦笑いした。
扉が開き、2人で乗り込む。
閉ボタンを押し、扉が閉まる直前で誰かの足がガンッと扉に挟まった。
「……セーフ！」
「セーフちゃうわ。」
淳太のツッコミに苦笑いしながらエレベーターに乗り込んできたのは照史だ。
「おはよう。」
そう言った照史は笑顔だが、頬が引きつっているのがわかる。
今は俺らしかいないのだから無理しなくて良いのに。
「おはよう。」
「おはよ。」
俺と淳太が挨拶をしたタイミングで、エレベーターは動き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かんた(プロフ) - 百瀬 花楓さん» ご丁寧にありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！こちらこそ、見て頂いて感謝です。 (2020年4月27日 23時) (
レス) id: b73ff05158 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬 花楓(プロフ) - とても面白かったです！いつも更新を楽しみにしていました。通知が仕事してくれないので、毎日ログインするレベルで…(--;) 楽しい時間をありがとうございました！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: dca40fbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
かんた(プロフ) - happyさん» そう言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます！ (2020年4月27日 22時) (レス) id: b73ff05158 (このIDを非表示/違反報告)
happy(プロフ) - お疲れ様でした。雰囲気が好きです。 (2020年4月27日 1時) (レス) id: b99effe517 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かんた | 作成日時：2020年4月13日 22時
