【リボーン】 捕らわれの姫君

episode3 ページ5

姫君は、ゆっくりと……目を覚ました。


虚ろに開いた眼からは、美しいサファイアの瞳が覗く。


少女は、ゆっくりと細い肢体を起こす。


貴「……此処は……一体…？」


？「目が覚めた？」


姫君に優しく微笑む少年は……


姫君に近寄り、優しく手を取った。


？「ビックリしたよ。骸が急に血塗れの君を連れてきた時は……」


貴「………血塗れ…」


少女は、そっと自分の腹部へと触れた。


血は止まっており、しっかりと治療がしてあった。


？「俺は沢田綱吉。君は？」


貴「……私…？私は……A……A・ファラエリス・ローズ……」


綱「へぇ……じゃあAちゃんだね」


貴「えっと……じゃあ、綱吉だから……ツナで、いい……？」


綱「勿論。ところで……凄い回復力だね。下手すれば、死んでいたかもしれない程の重傷だったんだよ」


貴「……そう…それと、ツナ。此処は…何処？」


綱「此処？此処はね、ボンゴレファミリーのアジトだよ」


ボンゴレファミリー……


綱「今日は、此処でゆっくり休んでね？」


＿＿沢田綱吉＿＿…姫君を救う、二人目の「騎士」……


貴「あ……私を此処に連れてきた、骸って人は……？」


姫君を、檻から出した、一人目の「騎士」。


綱「今呼びに行くよ。だから待っててね」


パタン…と扉を閉め、ツナは部屋の外へ出た。


貴「………ボンゴレファミリー……」


姫君は扉を見つめ、小さく呟いた。

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